多くのミュージシャンやリスナーにとって、歌詞は曲の中心となる存在です。リズムやメロディが曲のムードやテーマを作る一方で、歌詞はストーリーをまるごと伝え、聴く人の心に気づきや思い出を呼び起こしてくれます。
曲作りに情熱を注いでいるなら、この「歌詞」という武器をスムーズに使いこなせるようになりたいところ。この記事では、作詞のコツを5つに分けて、歌詞の力を最大限に引き出すためのポイントを紹介します。
作詞のコツ1:とにかく書く
楽器の練習やほかのどんなことでもそうですが、書くことにも継続的な反復と練習が必要です。意外に思えるかもしれませんが、頭の中の考えを紙に書き出し、形にまとめるための「筋肉の記憶」を鍛える必要があります。
歌詞や曲のアイデアをいくら思い浮かべても、頭の中をさまよっているだけでは意味がありません。何らかの形で記録する習慣をつけないと、アイデアは消えたり、形が変わってしまったりします。
まずはフリーライティングから始めましょう。その名のとおり、ノートの白紙のページや、スマホ・パソコンの新規ドキュメントを開くところからスタートします。
どんなにありふれたこと、取るに足らないことに思えても、最初に浮かんだ強い思いを書き留めます。そこから派生するアイデアをどんどん書き足して、最初の思いを膨らませていきましょう。無意味に思えても1ページ埋めるまで書き、これをできるだけ頻繁に繰り返します。
この練習の目的は、脳と手をつなぐ回路を開き、考えを記録する習慣を脳に覚えさせることです。友人のこと、思い出、身の回りの風景、自分の信条など、何について書いてもかまいません。とにかく書きましょう。
作詞のコツ2:インスピレーションの源を見つける
書くこと自体がひとつのアートなので、ペンを取りたくなるようなほかのアートに触れることも大切です。書き方を学ぶいちばんの近道は、自分が刺激を受ける書き手から学ぶことだと考えるアーティストも少なくありません。
好きなアーティストのプレイリストを聴いて、どの曲の歌詞が心に刺さるのかを探ってみましょう。そして、次のことを自分に問いかけてみてください。
- その歌詞のどこが好きなのか?自分の経験や感情と関係しているか?
- 自分が自然に書いたり話したりしそうな文の構造、言葉づかい、韻の踏み方はあるか?
- 書き手は歌詞を使って、どのようにメッセージを伝えたり情景を描いたりしているか?フレーズの区切りを曲の構成やメロディに合わせているか?
ほかのジャンルの文章からもインスピレーションは得られます。映画や本、さまざまな表現に触れて、語彙や発想の引き出しを増やしているアーティストもたくさんいます。
創作意欲をかき立ててくれるものを意識的に探す時間を作り、ノートや日記を持ち歩いて、どんなに小さなアイデアでも書き留める習慣をつけましょう。
作詞のコツ3:曲の「骨組み」を決める
歌詞を書いていると、完成度の高い作品を早く仕上げたいという気持ちが先走り、考えが霧の中で迷子になりがちです。作詞とはストーリーを伝えるための最適なフレーズを選ぶ作業ですが、選択肢が多すぎて手が止まってしまうこともあります。
そんなときは、アイデアをまとめて自分らしく表現するための「ルール」や「枠組み」を自分で決めてみましょう。テーマ、人物、情景などを1つ選び、それにまつわるアイデアをできるだけたくさん書き出します。
決めた枠組みに合わないアイデアも、捨てずに別に取っておけば後で使えます。思いつくままに書き連ねるのではなく、1〜2つの核となるテーマに歌詞を絞ることで、力強い歌詞が書けるようになります。
作詞のコツ4:自由に書いて、あとから推敲する
作詞を身につけるうえでもうひとつ大切なのが、恐れずに書くことです。どんな創作活動でも同じですが、ソングライターはためらわずに書けるようになる必要があります。
一度も失敗せずに完璧なものを作ろうとすると、そのプレッシャーで何もできなくなり、創造力がしぼんでしまいます。書いている瞬間に集中し、完成した曲が人にどう聴こえるかは考えないようにしましょう。
決めた枠組みに沿って歌詞を書くときは、浮かんだ考えはすべて書き留めます。アイデアを曲という壁にどんどん投げつけて、何がくっつくかを見るイメージです。そして、アイデアや歌詞の素材が十分にたまったら、今度は曲の構成を見直して、いちばん簡潔で共感しやすい形に整えることが同じくらい大切です。
書いた歌詞を、リスナーの立場で読み返したり聴き返したりしてみましょう。余計な言葉や、曲のコンセプトをぼやけさせるパートがないかを確認します。
抽象的な歌詞も大いにアリですが、リスナーが何について歌っているのかまったくわからないほどではいけません。内輪ネタで笑えるのは、結局その内輪の人だけですから。
作詞のコツ5:共作する
作詞の力を伸ばすには、ほかのソングライターやプロデューサーと一緒に曲作りをするのもおすすめです。最大のメリットは、自分以外の視点が得られることです。
曲の特定のパートで行き詰まったり、手元のインスト曲にどんな歌詞を乗せればいいか思いつかなかったりすることもあるでしょう。信頼できる共作仲間がいれば、書き続けるモチベーションになるだけでなく、スランプや創作の壁を乗り越える有効な手段にもなります。
作詞力を鍛えるトレーニング
- タイマーチャレンジ:タイマーを最大10分にセットして、ノートとペンを用意します。その時間内に、ラフな歌詞やアイデア、曲の構成をどれだけ早く書けるか試してみましょう。締め切りのプレッシャーが雑念を払い、作詞の筋肉を鍛えてくれます。
- アイデアカード:作業スペースの近くに箱を置いておきます。日々見つけたランダムな考えや言葉、心に残った情報をカードに書いて、どんどん箱に入れていきましょう。そこから何枚かランダムに引いて、それらをつなぎ合わせて歌詞を書きます。固定観念にとらわれない発想が鍛えられ、意外な曲のコンセプトが生まれることもあります。
- 実況する:好きな映画やドラマを見ながら、展開をどう受け取ったかを書いてみましょう。すぐに曲として完成させる必要はありません。浮かんだアイデアを、まとまりのある韻や詩の形に整えることを意識してみてください。
まとめ
ベテランのソングライターでさえ、ときには作詞に苦しむものだと知ると、少し安心できるかもしれません。それでも、粘り強さと尽きない好奇心が、彼らを再びインスピレーションへと導いてくれるのです。
いい曲を書く唯一の方法は、いい曲が生まれるまで書き続けること。今回紹介した5つの作詞のコツが、曲作りのヒントになればうれしいです。
一緒に曲を作る仲間を探すなら、BandMixで音楽仲間を見つけてみましょう。






